ローマ教皇庁が統治するバチカン市国といえば、イタリアのローマにある国土面積世界最小の国家にしてカトリック教会の総本山です。古代より宗教的な意味合いの強い場所だったようで、「聖地」として認識されてきました。
キリスト教における重要人物である「使途ペトロ」の墓所があるとされており、西暦326年にはコンスタンティヌス1世によって、ここにこの地で最初の教会が建てられたとも言われています。
ペトロと言えばカトリック教会においては初代のローマ教皇とみなされています。これはペトロが聖書のなかで「天の国の鍵」をイエス・キリストから受け取る者とされているためであり、これをローマ教皇が継承したと見なされているからだそうです。
いろいろと難しい宗教の話はさておき、バチカン市国の建国が「鍵」に由来していることはよくわかりました。これはバチカン市国の国旗のデザインにも現れています。
バチカンの国旗は向かって左側に黄色、右側に白色を配置した二色旗であり、右の白地部分の中央には金と銀の鍵と王冠がデザインされているのです。そしてこれこそが左記の「ペトロに与えられた天の国の鍵」であり、ローマ法王の権威を象徴するものでもあるのです。
子どものころから百科事典で世界中の国旗を眺めていたわたしにとっては、数ある国旗のなかでもバチカン市国のものが一番のお気に入りでした。これは国旗と同じくらい、わたしが鍵が好きな子供だったからでしょう。鍵には何か非日常的な雰囲気があり、秘密めいた力をもっているように感じられていました。ですから国旗と鍵を組み合わせたデザインは、わたしにとってまさに「ど真ん中」だったのです。
わたしの鍵好きは大人になっても収まらず、OL時代に庶務課に配属されて鍵を管理することになったときは嬉しくて仕方ありませんでした。
いまや二児の母となりましたが、結婚相手に運命を感じたのも、彼の名字が鍵本だったからかもしれません。