窃盗犯の中でも一番卑劣なのは他人の家に勝手に上がり込む奴だろう

先日自室でくつろいでいたら、電話の子機を持った母親が、送話口を手で覆いながら「あんたが痴漢で捕まったって。示談金を持ってきて欲しいって」と小声でいいながら、部屋に入ってきた。キタコレ!電話詐欺!こともあろうに本人在宅の時にかけてくるなんて、かなり間抜けな奴だ。電話に代わって「俺が息子だけど」と一声かけると、電話の相手は悔し紛れか「バーカッ!」と大声で叫んで電話は切れた。まだ少年のような声だった気がする。どんな詐欺でも犯罪は犯罪。人の金や物を盗むことは、窃盗犯だ。もし若いのなら、そんなくだらないことは今すぐやめて、誰かの役に立つ大人になって欲しいものだと思う。

窃盗犯の中でも、1番卑劣なのは、他人の家に勝手に上がり込む奴だろう。ATM破りとか事務所荒らしとか、窃盗犯は色々あるけど、これらの奪う相手は個人ではない。でも個人宅をターゲットにした空き巣狙いは、個人の生活を勝手に覗き見るストーカーのような卑劣さと、個人の安心の場である住居を荒らし、傷つける暴力性を併せ持つ。家人が一番住みよく住んでいる状況を、金品を探すという勝手な目的のためにめちゃくちゃにする。

一度、親しい友人宅の空き巣被害の現場に遭遇したことがあったが、それはもうひどかった。もともと綺麗好きな奴ではなかったが、ここまでするのか、やったのは誰か、彼に恨みを持つ奴なのじゃないかと疑うほどに、ひどく部屋中が荒らされていた。しばらく玄関で友人と2人、立ちつくしてしまったほどだ。警察の人の話だと、盗むものがない時ほど、腹いせに無駄に荒らしていく空き巣もいるということだった。

人の居ない隙に自宅に土足で入り込んで、思い出や大切な品々を踏みにじり奪っていく。泥棒、窃盗と一言で片づけられない、犯罪の悪質さを感じるというものだ。